Column水に関するエトセトラ

NO.2 塩素について

解説担当:営業部I.Y
解説担当者の画像

皆さん、「塩素」は耳にした事ありますよね?
今回は水の関係でしばしば登場するキーワード「塩素」についてです。

一般に塩素という場合は塩素分子を指すことが多く、常温常圧では毒性の強いガスになります。
強い漂白・殺菌作用を持ちますが、気体の状態では取扱いが難しいため、水酸化ナトリウム(NaOH)と反応させて、固体の次亜塩素酸ナトリウムの状態で利用する事が多いです。
日本の水道水では、塩素を殺菌・消毒のために、浄水場で処理して配水しています。それでは、世界の水道水ではどうでしょうか?

所謂先進国では消毒剤として、塩素系やクロラミン*処理を行っている浄水場が多いですが、中には虫歯予防!の目的で、フッ素注入をしている国(浄水場)もあります。ちょっとビックリですよね。
日本は水道水がそのまま飲用可能な国ですが、徹底した水質管理や上水道網の維持管理によるものなのは言うまでもありません。

日本では水道法で蛇口において、残留塩素濃度が0.1mg/L(0.1ppm)以上で管理することが定められています。これは、蛇口で管理をしないと配管途中で塩素濃度が薄くなり、せっかくの消毒効果が落ちてしまうからです。

しかし、この塩素によって場合により、所謂「カルキ臭」のする水になってしまったりします。そこで浄水器の出番です。家庭内の配管までは塩素でしっかり消毒して、蛇口に近い設置の浄水器で塩素やその他有害物質を除去するのがベストミックスというわけです。

ところで、プールに入った時に、ツーンと臭ったりするあの独特な臭いは、よく「塩素臭い」と言われますが、実はプールに添加している塩素ではなく、それがプール内のアンモニア成分(人の汗や皮脂など)と結合する事によって、クロラミン*となるため臭いを発するのです。プール、公衆浴場は塩素濃度管理基準がそれぞれ0.4mg/L以上、1.0mg/L以下が望ましいと規定されおり、水道水より高い基準になっています。

普段、家庭でお風呂に入って肌が乾燥したり、髪がきしんだりしないのに、プールに入ると起こったりするのは塩素濃度が高いからなのです。しかし、塩素濃度が高いのにはもちろんわけがあります。簡単に言えば、不特定多数の人が利用する施設なので感染症等のリスクを防ぐためです。

さて、話がいろいろと飛んでしまったので最後にまとめです。
「水道水に含まれている塩素は水質管理上必要です。家庭では浄水器の利用などで上手に付き合いましょう。
*クロラミン 窒素化合物。

水道水が家庭に届くまで