Column水に関するエトセトラ

NO.5 軟水と硬水

解説担当:解説担当:営業部I.Y
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今回は皆さんも耳にすることのある「軟水」と「硬水」について解説をします。
軟水と硬水の違いは簡単に言えば、字の通り「軟らかい」か「硬い」かです。
英語にすると、soft water と hard water そのまんまですよね。
ではその硬さの違いを生むのは何か。それは水に含まれるカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの鉱物(ミネラル)量になります。
硬さは「硬度」で表し、WHO(世界保健機関)では、1Lあたり120mg以上を硬水、60~120mg未満を中硬水、60mg未満を軟水と定義しています。
また、日本では一般的に、100mg以上を硬水、未満を軟水としています。こちらの定義に当てはめると、日本の水道水はほぼ全国的に軟水という事になります。
一方海外はどうかと言うと、アメリカは地域差が大きく、軟水の地域もあれば、硬水もあるという感じですが、ヨーロッパは多くの地域が硬水です。また、中国も硬水エリアが多いようです。
なぜ、地域によって水の硬度に違いが出るかですが、それは地形や地質の違いになります。
日本は山岳地帯から海までの距離が短く、ミネラル成分がゆっくりと地下水に浸透する環境にありません。一方、ヨーロッパや中国などは日本に比べるとはるかに起伏が少ない地形になるため、ミネラル成分が多く溶け込む地域が多い事になります。
軟水は一般的にお腹にやさしいと言われていて、軟水環境の日本人にとっては当然飲みやすい水になります。一方、硬水はミネラル成分を含んでいるため、飲む事で身体に必要な成分の補給をする事ができるという利点があります。ミネラル・ウォーターで有名なE○○Nは、硬度304mg/Lとかなり高い数値です。好き嫌い分かれるところかも知れませんが、ちなみに私は好きです。
料理や飲み物に軟水、硬水のどちらが適しているか、という事になると、それは好みの問題になるようですが、一般的に和食には軟水、肉料理には硬水、といった感じでその地域の料理はやはりその地域の水が適しているという例が多そうです。
さて、日本で使用されている一般的な浄水器が硬水に有効かですが、水に溶け込んだミネラル成分はろ材を通過してしまうので、硬水を軟水に変える事はできません。一方、「軟水器」という硬水を軟水に変える製品がありますが、これは多くがイオン交換樹脂を使用して金属イオン成分を吸着する事で、ミネラル成分を除去するものです。
前述のように日本はほぼ軟水なので、家庭で軟水器を使用する必要は基本的にないと思われます。

日本の安全な水道環境下では、さらにその安全を担保する浄水器を、特に活性炭で残留塩素や臭いなどを除去し、中空糸膜で細菌や不純物等を除去するキッツマイクロフィルター製浄水器を安心してご使用ください。