NO.1 家庭に水が届くまで(水の循環)
水は私たちの生活に欠かすことのできない資源です。
皆さんは宇宙から見た地球の映像をどこかでご覧になったことがあるかと思います。地球は青く輝いていますよね。地球が青く見えるのは表面の約70%が海洋に覆われているからです。
この地球上の水の総量は、14億立方キロメートルと推定されていますが、海水(塩水)が約97%であり、残りの約3%が淡水(真水)になります。しかし、約3%の淡水のうち実際に人が利用できる水は地球上の総量に対しわずか0.01%しかありません。
次に水の循環についてですが、地球上の水は、海水や河川、湖沼の水として常に一定の場所に留まっているわけではありません。
太陽エネルギーによって水は蒸発して水蒸気となり、それが上空で雲になり、再び雨や雪になって降り、それがまた地下水や川となって海に流れる、というように絶えず循環し続けています。つまり、水は形態を変えて地球上のどこかに存在し続けているわけです。
さて、私たちの暮らす日本の水の状況はどうでしょうか。
日本の平均年間降水量は約1,700mmと比較的多く、また全国に河川も多くあります。
ただし、国土が狭く、山岳地帯から海までの距離が短いため河川も短く、実際に使用している水は全降水量の約12%と言われています。
日本は上下水道設備が整備され、特に上水道普及率は約98%にまでなっており、高度な水処理技術により水道水が安全・安心に使える環境が整っています。
水道の水は地下水や河川の水を浄水場で処理してから、配水管・給水管を通って各家庭の蛇口に届きます。(日本の水道水の基準などについては、また別の回で解説させて頂きます)
一方、私たちの生活排水は下水処理場で処理され、河川などに流されます。また、工場などの産業排水も各種処理設備で排水基準に合うように排出されます。
これらの下水や排水も水の循環の一部ですので、適切に処理される必要があるわけです。